top of page

​レオポックル

日本から虐待や殺処分をなくしたい。

私たち夫婦の出発点はここから始まりました。
それにはどうしたらいいのか?
まず現実を知ってもらうことが大切だと思いました。
誰に知ってもらい、誰に伝えたらいいのかな?
それは子どもたちだと思いました。
保健所に犬を持ち込むのは大人。
そんな大人にならないために、将来日本を担う子どもたちに、命の大切さを伝えることができたら、

日本から殺処分がなくなる日が来るのではないかと考えました。

でも、殺処分という酷い現実をどうやって伝えたらいいのだろう?
夢や魔法、幸せがいっぱい詰まった絵本を通してなら伝えられるかもしれない……。
そう考え、去年、絵や文章、本を作る学校に通い勉強しました。
でも、1年で身につけられることはごくわずか。
たくさん練習しましたが、画力や文章は素人レベルです。
それでも伝えたいと思い、絵本製作を始めました。

それに伴い、殺処分や虐待に関することを改めて調べました。
でも、想像していた以上に酷い現状に愕然としました。
いつからこんな日本だったの?
ずっと前から?
いろいろあっても幸せな国だと思ってた。
虐待の画像を見ながら「やめて!」と叫ばずにはいられませんでした。
保健所で死の順番を待つ、震える犬の目が、脳裏に焼き付いて離れなくなりました。
虐待されたり、殺処分されている犬が、泣いている自分を心配そうに見つめる愛犬の目と重なりました。
何かしていても、見てしまった画像がフラッシュバックして、その度に苦しくなりました。
そして、悩みました。
殺処分をなくすにはまず現実を知ってもらうことから…。
そう言った自分が、現実から目を背け、直視できなくなってしまった。
大人がこんなにショックを受けるのに、子どもたちに伝えていいのだろうか?
感受性の強い子どもは、もっと傷ついてしまうのではないか?
殺処分をなくしたい。
でも、その思いが、純粋な子どもたちを傷つけるのではないか?
傷つけたくない。
誰も傷つけてはいけない。
そう思ったら作業を進められなくなりました。

作品作りをやめた時、保健所で震えて死の順番を待っている犬の映像が浮かびました。
「ぼくを見捨てるの? 殺さないで……」そう訴えているように思え涙が止まりませんでした。

殺処分をなくそうと、ずっと前から活動されている方たちがいます。
世間の批判にあっても強く立ち向かい、身を削って頑張っている人たち。
その方たちの行動は本当に素晴らしく、私たち夫婦には真似をすることができません。
そんな私たちが訴えていいのだろうか?
長い時間悩みました。
たくさん泣きました。
そして、結論を出しました。
殺処分や虐待の現実も最後まで目にする強さがない私たちです。
そんな弱い私たちですが、犬の苦しみは痛いほど感じ取っています。
そして、一匹でも多くの犬の命が助かり、日本から殺処分や虐待をなくしたいと心から願っています。
私たちに今できるたったひとつのことは、「この物語を形にして発信すること」だと思いました。
でも、子供を傷つけるようなことがあってはならない。
だから絵本ではなく、子どもが大人と一緒に読むことができ、

少しでもたくさんの人に目を通して頂けるよう無料配布の冊子を作ることにしました。

たくさんのワンちゃんの幸せを願って制作しています。

                                         レオポックル 2017年4月

bottom of page